食事と血糖値

みなさんは血糖値が体にどう影響するか知っていますか?

血糖値が急激に上がりにくい食べ物、血糖値の上がり方を知って上手に健康増進に活かしましょう。

今月は新人管理栄養士2人が血糖値について紹介します。

 

血糖値とは、ブドウ糖が血液中にどれくらい含まれているかを表す濃度のことです。通常であれば空腹時血糖は70~100mg/dlです。空腹時血糖は、食後10時間以上絶食にして測定した血糖値のことです。3.5時間から10時間未満は随時血糖値と言います。

 

私たちがたべるお米や果物などの食事の中にはブドウ糖が含まれるため、食後は誰でも血糖値は上がります。

 

血液中に糖が入ると、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンにより、ブドウ糖は筋肉や脂肪組織などに取り込まれます。インスリンは脂肪合成を高め、脂肪分解を抑制する作用を持っているため、多くの糖を摂取した場合、インスリンが通常より多く分泌されるため、脂肪が蓄積されやすくなります。

 

脂肪が蓄積されると肥満になり、結果としてインスリンの効きが悪くなる《インスリン抵抗性》という状態に陥ります。

欧米人に比較して細身体型の多い日本人ですが、軽度の肥満でもインスリン抵抗性が生じてしまう人種です。外国人に比べてまだまだ大丈夫!とは考えないでください。

つまり日本人の場合は少しでも肥満になると、インスリン抵抗性が生じやすいためインスリンが多く分泌されても、肝臓、筋肉、脂肪組織でインスリンの効きが悪くなり、結果として血糖値が下がらないため糖尿病になるのです。

 

食後数時間たっても、血糖値が下がらない状態が慢性的に続くのが、糖尿病です。インスリンの作用が上手く働かないと血液中に糖が増え、砂糖水のようにべとつき血液の流れが悪くなり、余った糖は血管壁のコラーゲンと結び付き血管壁を硬くします。その結果血管の弾力性が失われ、体の細い血管が傷つき、血流が悪くなり細い血管が集中している神経、眼、腎臓などがダメージを受け、神経障害、網膜症、腎障害等の合併症を起こしてしまいます。

 

 

また、健康診断で血糖値が正常な人でも血糖の異常が隠れている場合があります。普空腹時血糖値などは正常なのに、食後の血糖値が急上昇する《食後高血糖》の人がいます。正常の場合、食後2時間後の血糖値はインスリンの効果で140mg/dl未満になりますが、食後高血糖の場合は食後2時間後もそこ血糖値が高くなりすぎると私たちの体は血糖値を下げるためにインスリンをたくさん分泌します。しかし、食事によって生じたインスリン量や糖尿病の飲み薬の量が多いと血糖値が急激に下がり、低血糖をもたらすことがあります。低血糖になると、頻脈、冷汗、眠気、頭痛、吐き気などの症状がでます。もし低血糖の症状が見られた場合は、ブドウ糖(10g)、ブドウ糖を含む清涼飲料水(150〜200ml)、砂糖や飴などを取り安静にして対処すると良いでしょう。

しかし、次のような飲み物は低血糖時の糖分補給には向いていません。

「カロリーゼロ」「ノンカロリー」「カロリーオフ」「低カロリー」などと表示されている飲料など。これらはブドウ糖とは違う人工甘味料が甘みの元になっているため向いていません。

糖分補給に向いている飲み物は、「コカ・コーラ」「ファンタ」「カルピス」などがあります。食べ物ではブドウ糖飴、バナナ、ラムネが糖分補給に向いています。

糖分を補給した後は、安静にして約15分すぎても症状が改善しない場合は、もう一度糖分を補給して様子を見ましょう。それでも意識低下などの症状が見られる場合は、一時的に意識が回復したとしても、必ず医療機関を受診するようにしてください。

 

 

以上より、血液中の糖は急激に増えることも下がりすぎることも体にはよくありません。では、何を食べたらいいのでしょう?そこで注目されるのが、GI値です。GI値とは、「グリセミック・インデックス(グリセミック指数)」のことで、簡単に言うとその食品に含まれる糖がどのくらいのスピードで吸収されるのかを表した、食品に含まれる糖の吸収される度合いを示したものです。食品によって吸収スピードに差があります。GI値が70以上の食品を高GI食品、56~69の間の食品を中GI食品、55以外の食品を低GI食品に分類されます。GI値が低い食品ほど緩やかに吸収されるため、血糖値をあげにくいです。血糖値が急激に上がればインスリンも多量に分泌されます。インスリンは脂肪合成を高め、脂肪分解を抑制する作用のため、簡単にいうと太ります。血糖値が急激に上昇して急降下することははやくお腹が空くことにつながるため、おやつを食べすぎて太るということも考えられます。これを回避するために血糖値を急激に上昇させないことが大切です。糖尿病患者さんだけでなく、近年ダイエット面でもGI値は注目されています。

 

低GI食品

ゆっくり吸収されるため、血糖値の上昇が緩やかで長時間エネルギーとして使える

▹満腹感が長く続き過剰なカロリー摂取を防げる

 

高GI食品

吸収が早く、血糖値は急上昇し、急下降するため短時間のエネルギー源としてしか利用できない

▹スポーツ後の疲弊した体の回復に最適

 

年末年始はどうしても食生活荒れますが、上記を参考にしてみてください。

 

 

 

 

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